「いい生活の業務クラウド」シリーズは、賃貸管理・賃貸仲介・売買業務を幅広くカバーするサービスです。不動産現場のDX化を推進し、業務の効率化を支援するツールとして全国の法人1500社から支持されています。今回はいい生活賃貸管理クラウドの導入による効果や今後サービスが目指す姿について、営業戦略本部 本部長の塚本さんと事業企画本部 本部長の渡邉さんにお話を伺いました。
インタビュー企業
サービス名 | いい生活の業務クラウドシリーズ「いい生活賃貸管理クラウド」 |
サービス提供企業 | 株式会社いい生活 |
賃貸・売買のあらゆる業務を効率化する「いい生活の業務クラウド」とは
はじめに、御社が提供する「いい生活の業務クラウド」シリーズの概要についてお聞かせください。
当社は創業した2000年当初より、不動産市場向けのサービスを開発してきました。「いい生活の業務クラウド」シリーズは、SaaSでワンプラットフォーム・マルチテナント型に特化したサービスを提供しています。他社にもSaaSやクラウドサービスと呼ばれるものは存在しますが、中にはサーバーにパッケージソフトをインストールする必要があるものも少なくありません。その点、当社のサービスは完全にクラウド型で展開しています。 賃貸管理・賃貸仲介・売買仲介の幅広い領域をカバーするだけでなく、地域ごとに商習慣が異なる不動産業務も柔軟にカバーできるのが「いい生活のクラウドSaaS」の強みです。おかげさまで全国に約1500社・4500店舗以上のお客様からお選びいただいています。
「いい生活の業務クラウド」シリーズで特に支持を集めているサービスはどれでしょうか。
当社のサービスで多くのお客様にご利用いただいているのは、賃貸業務の営業支援機能を持つ「いい生活賃貸クラウド」と、賃貸管理業務支援の機能を持つ「いい生活賃貸管理クラウド」です。また、売買を専業や兼業で行うお客様には「いい生活売買クラウド」もあります。さらに、不動産会社同士で物件情報をやり取りしたり、ウェブで申込受付・内見予約ができたりする「いい生活Square」や、決済ソリューションとして「いい生活Pay」も展開しています。多くの不動産会社は「この機能はA社、あの機能はB社」という形で個別に契約しているために、システム連携が難しかったり、そもそも連携を諦めている場合もあるようです。その点、当社はサービスラインナップの豊富さと、それぞれのデータが連携できる部分も評価いただいています。
業務フロー改善に大きく貢献!「いい生活の業務クラウド」導入のメリット
「いい生活の業務クラウド」を導入するメリットについて教えてください。
「いい生活のクラウドを導入して、業務フローを整えることができた」というお声をお客様から多く頂戴しています。当社のサービスは、開発当初から個別のカスタマイズがありません。一つのサービス環境をとことんブラッシュアップし、業務フローの無駄をなくすことにこだわってきました。
すべてのお客様に共通の業務フローが出来上がっているため、今後自動化やビッグデータビジネスを進めていく上でもアドバンテージになると自負しています。1つの箱としてフル活用していただくメリットもありつつ、サービスの必要な部分から利用を始められることで導入しやすい、というお声も頂いております。
最近では、サービスの提供にとどまらず「いい生活のSaaSを使うから、それに業務を合わせたい。どうすればいいかアドバイスが欲しい」というご要望をいただくことも増えました。
そこで当社では、お客様の業務プロセスを設計し直すコンサルティングサービスも手掛けています。単にツールを提供するのではなく、お客様にとって最適な業務の流れを整えることを何より大切にしています。
「いい生活賃貸管理クラウド」活用のメリットもお伺いできますか。
「いい生活賃貸管理クラウド」では、ヒト・モノ・カネの3つの要素を現実世界に近い形で構造化できる特徴があります。
ヒトに対して、例えばオーナーさんであり賃借人でもあるケースもあります。そういったケースでは一人のヒトに対して色々な属性をつけて管理することができます。また物件においてもオーナーさんが別の方に物件を売ったとします。管理委託契約は一旦終わりますが、また新しいオーナーさんと契約をする際に、元の情報を活かしながら新しい管理委託契約を開始することもできます。
このように一つの物件から見たら繋がっているという状態が作れますので、そういった構造化ができる仕組みです。
そしてお金の面では、自社物件やサブリース物件などの種別によって変わる経理処理も判別可能なので非常に簡単になります。
このような形で、自社がどのような立場で物件を管理しているかが一目でわかるようになり、直感的に様々な作業ができるのです。
近年は不動産業界に関連する様々な法改正が続いており、独自のシステム構築をしているとリアルタイムで変化に対応するのは難しい場合も多いでしょう。「いい生活賃貸管理クラウド」では随時アップデートが行われているため、DXやデジタル化がスピーディーに進められるメリットがあります。
「いい生活賃貸管理クラウド」の導入で業務が効率化され、社内の情報共有や情報連携がスムーズに
「いい生活賃貸管理クラウド」を実際に導入したお客様は、どのような効果を実感していらっしゃいますか。
「いい生活賃貸管理クラウド」では同じシステムに複数の部署からアクセスし、それぞれが必要な情報を閲覧したり書き込んだりといった共同編集が可能です。その機能によって「業務がとても早くできるようになった」というお声をいただいています。営業所が複数ある場合、各拠点で最新情報を共有しながら仕事を進めたいというニーズに応えることができるのも「いい生活賃貸管理クラウド」の特徴です。
また、欲しい機能を使うためにいくつものサービスを契約しているケースも多くあります。
情報が飛び石のようになって不便だったのが当社のサービスで一元管理され、わずらわしさから解放されたというご感想もありました。一般的に管理戸数が1,000戸を超えると、Excelで情報管理をするのは困難です。当社のサービスは管理戸数に応じて発生する様々な課題も丁寧にカバーしていますので、企業の規模や管理戸数に関わらず広くお使いいただけるサービスだと思います。
面倒なデータ移行まで総合的にサポートし、お客様の負担を減らす
「いい生活賃貸管理クラウド」を使うために準備すべきものはありますか。
インターネット環境とパソコンがあればすぐに使い始めることができます。もしSaaSを初めて使うお客様の場合は、今までExcelや紙で管理していた物件情報をすべてデータ化する作業も別途請け負っています。また、他社のシステムから移行する場合は、CSVでデータを書き出して変換し、当社のシステムで業務が開始できる状態を整えるお手伝いも行っています。お客様の手をわずらわせることなくスムーズに移行できる点も好評です。
従来のシステムや紙ベースの業務から移行する際の人的コストやリスクもかなり軽減されそうですね。
特に賃貸管理システムは「これまで他のシステムを使っていたから、情報が蓄積されていて簡単に乗り換えられない」と諦めているお客様も多くいらっしゃいます。そしていざ移行するときには新しい人を雇ったり、既存の社員を専任でつけたりする必要があるのか、または現場に負担をかけてしまうのではと心配する経営者の方も少なくありません。
慣れ親しんだ道具はミスが起きにくいですから、「新しいチャレンジをしてまで移行すべきなのか」という迷いはとてもよくわかります。当社ではすべてを移行するのが難しい場合、「これは引っ越して、ここはしないでおきましょう」といった、必要な情報の切り分けもアドバイスしています。しっかり情報を整理して、シームレスに業務が遂行できるようなサポートは普段から心がけている部分です。
不動産会社の業務において「なくてはならない存在」を目指す
御社が今後目指したい未来についてお聞かせいただけますか。
当社の強みは「サービスが1個の箱である」というところです。皆さんに使っていただければ使っていただくほどその箱が洗練されて育っていきます。少ない管理戸数しかないからExcelで管理する、大きくなったらシステムを検討するといったように、今までは管理戸数によって管理の仕方を変えてきたのが常でした。でも今はそれが必要なく、最初から大きくなりたいと思っている会社さんは、初期から「いい生活」を使っていただければずっと使い続けられます。もちろん、お付き合いを続けるに足るパートナーだと思っていただけるように私たちも頑張り続けなければいけません。そこをこれからもしっかりやっていきたいなと思います。
また、直近では、建物管理の機能開発にも着手しております。例えばエレベーター等の設備点検について、点検報告書を登録してオーナーさんに結果を報告するといった機能を開発中です。当社は幅広い不動産業務に対してどこよりも良いサービスを提供し、どこよりも「痒い所に手が届く」と言える状態を作るために頑張っています。
近年のコロナ禍をきっかけとしたデジタル化の流れや、IT重説・電子契約の普及、電子帳簿保存法の改正など、ここ数年で不動産業界を取り巻く環境は大きく変化しました。
リモートワークの広がりによってSaaSのニーズは高まっていると感じます。これまで自社でカスタマイズしたシステムを持っていた企業の皆さんは、それらの変化すべてに追いつくのが大変で、さらに上のレベルの戦略を立てる方向に時間や力を割けないお悩みがあるそうです。
当社のシステムは毎月最新の情報にアップデートし、インボイス制度にもいち早く対応しました。管理戸数の規模に関係なく、「いい生活の業務クラウド」を使うだけですぐに新しい法律にも対応できるのは大きなメリットだと考えます。今後も今ある機能をさらに便利に使いやすくしていき、コンサルティングも含めてお客様の業務環境をトータルで効率化するサービスを提供したいと思います。