「CIZ(賃貸保証)」は、住宅だけでなく駐車場・店舗・事務所・倉庫などのあらゆる不動産の賃貸借契約について、与信管理の視点でサポートするサービスです。不動産管理会社のリスクマネジメントの幅を広げ、オーナーとの信頼関係構築に寄与します。 「ieDemiil(いえでみーる)」は、LINEに物件番号を入力するだけで空室確認・内見予約・電子申し込みを瞬時に行うことができます。これにより、仲介会社の物件検索や電話連絡の手間が大幅に削減できます。その導入による効果やメリット、今後の展望について代表取締役の定村さんと、CIZ事業推進部 部長の竹本さんにお話を伺いました。

インタビュー企業

サービス名CIZ(賃貸保証)ieDemiil(いえでみーる)
サービス提供企業アークシステムテクノロジーズ株式会社

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賃貸管理に安心をプラスする「CIZ(賃貸保証)」サービスとは

はじめに、御社の事業概要と「CIZ(賃貸保証)」のサービス概要についてお聞かせください。

当社は2000年に創業以来、不動産賃貸に特化した与信保証業務を手掛けています。入居審査と家賃保証のサービスを10年ほど続けた2012年頃に、それまで蓄積してきた契約者様のビッグデータをもとにAIで経済的信用評価をスコアリングするサービスを開始しました。スコアリングは最近ではよく耳にしますが、当社では業界に先駆けてサービスを提供してきた歴史があります。 基本的には賃貸不動産の入居審査と家賃保証が主ですが、住宅だけに留まらず事務所や店舗・駐車場・倉庫などの保証も行っています。スコアリングの精度は年々上がっているため、不動産管理会社様にはプロパティマネジメント業務におけるリスクマネジメントの一つの手段として有効活用いただいています。現在では全国27の宅建協会やその関連団体様と提携頂き、それらの会員様との取引があります。

他社でも信用保証サービスは多く展開されていますが、御社の「CIZ(賃貸保証)」が他と違うポイントを教えてください。

当社は元々私自身が不動産管理業に長年携わっており、その上で管理会社様をサポートしてきた会社です。その実績やノウハウをもとに、管理業務の流れをきちんと理解した人間がシステム開発をしているため、この点に始まり直接的に業務に役立つ点は当社のサービスならではだと思います。

プロパティマネジメントとはどうあるべきかを考えたうえで、本当に必要な機能とは何か、オーナー様の信頼を勝ち取るためにはどんなサービスが求められるのか。これらを徹底して追究しながら、「現場ですぐに役立つ、必要なこと」を理解してシステムを開発・提供できるよう日々努めています。

空室確認から申し込みまでワンストップで対応!「ieDemiil(いえでみーる)」とは

御社が他に展開しているサービス「ieDemiil(いえでみーる)」について教えてください。

「ieDemiil(いえでみーる)」は、空室確認・内見予約・電子申し込みが瞬時にできるサービスです。これまでの入居審査では、FAXで受け取った情報をスタッフが手入力してスコアリングしていました。これがとても大変な作業だったことと、今後は電子化の時代が来ることを視野に入れ、2018年にスマートフォンやパソコンから電子申し込みができる仕組みを開発・リリースしたのが「スマートAPI」です。この「スマートAPI」は、現在リリースしている「ieDemiil(いえでみーる)」の機能の一部です。

電子申し込みサービスは数多く存在しますが、当社のサービスはスマートフォンで申し込みをすると、その場で管理会社様に申込者の信用スコアリング結果をお知らせします。 そもそもなぜ申し込みというフェーズがあるのかと言えば、「申込者がきちんと家賃を支払ってくれるか、そして入居後にトラブルを起こさないかどうか」を確認したいからです。その原点に立ち返り、単純な電子申込みサービスではなく、審査も同時にできる機能を提供しています。

確かに、申込みという行動の本質をとらえた便利なサービスだと感じます。

これまで紙ベースでの入居申込みがどのように行われてきたかというと、仲介会社様が、入居者の代わりに書類を代筆するという状況が一部ありました。その理由は二点あり、一つ目は、申込書が複雑で入居者が書きにくいこと、二つ目に仲介会社様が審査を通過させたいという思いから過剰にお手伝いしてしまい、実態と合わない情報が申込書にプラスされてしまうということでした。この問題に対処すべく、「ieDemiil(いえでみーる)」は「いつでもどこでも一人でできる」をコンセプトにした電子申込みにしようと考えて開発しました。会社で働く方、学生の方、年金や生活保護を受給している方など、個人のステータスは様々です。それぞれの申込者の属性にあわせて入力項目が変わる「インテリジェンススマートエントリーシステム」を採用し、入力内容に迷うことなく最後まで手続きを進められるのが大きな特徴です。

「CIZ(賃貸保証)」「ieDemiil(いえでみーる)」導入のメリット

御社のCIZ(賃貸保証)サービスを導入するメリットについて教えてください。

経済的信用評価と社会的信用評価、この2つが同時に確認できることと、審査の内容を管理会社様に開示しているのは他社と異なるポイントです。なぜ審査内容を開示しているかというと、審査の可・不可だけでは賃貸管理業務ができないからです。入居者はどういう特性を持った人か、経済的な信用評価の面、照会事項の有無や家族構成など、管理会社がオーナーと信頼関係を築き、適切な管理業務を実践するために必要な情報は一通り網羅しています。 中には「良し悪しさえわかればいい、結果が良くなければ契約しないだけだ」という管理会社様もいらっしゃいます。しかし、当社としては審査に通って実際に入居する方の状況を見ていただきたいのです。申込者が入居者になった後のことまで考えて与信サービスを提供しているのは当社だけですし、すでに当社のサービスを利用している管理会社様はその点を高く評価してくださっています。当社の審査結果をしっかりとオーナー様に報告することで、ますます信頼関係を深められたと好評です。

「ieDemiil(いえでみーる)」を導入するメリットについてはいかがでしょうか。

すでに世の中にある空室確認や内見予約サービスの多くは、仲介会社が事前に登録しなければいけないものがほとんどです。また、仲介登録を経てサービスにログインした後は物件検索をする手間があります。物件によっては、また別のサイトにログインし直して探す必要があり、仲介会社にとって大きな手間となっています。

一方で「ieDemiil(いえでみーる)」は、仲介会社の事前登録・初期費用・物件検索はすべて不要でお使いいただけます。LINEで物件の管理番号を入力するだけで、空室確認や内見予約、電子申込みまでワンストップで対応し、わざわざ他のサイトで手続きをする必要がありません。

従来の空室確認では、仲介会社から管理会社へ「この部屋は空いていますか」と電話でやりとりすることが多くありました。しかし、「ieDemiil(いえでみーる)」があれば、仲介会社側・管理会社側ともに電話応対の手間が大きく削減できます。また、仲介会社から見ればすぐに空室状況がチェックできるのも便利なポイントです。「管理会社が休みの日に電話が通じない」という煩わしさから解放され、365日いつでも管理番号から物件情報が閲覧できるのは大きなメリットだと思います。

オーナーとの信頼関係構築、エンドユーザーの利便性向上に貢献

御社のサービスを導入したお客様は、どのような効果を実感していらっしゃいますか。

仲介会社様からは、物件検索の手間が大きく削減できたという声をいただいています。また、管理会社様からは「ieDemiil(いえでみーる)」ではどの仲介会社がいつ問い合わせをしたかが記録に残るので便利だと伺っています。オーナー様に「最近、物件の問い合わせが増えていますよ」とお伝えできたり、反対に問い合わせが少ない場合には「少し条件を見直しましょう」とご提案できたりするからです。

プロパティマネジメントの観点では、物件への問い合わせに対して案内が何パーセント入ったのか、案内に対して申込みが何パーセント入ったのかという転換率が重視されます。「ieDemiil(いえでみーる)」はこれらすべての数値がカウントできるため、具体性を持ってオーナー様への提案ができる点で高く評価されています。

管理会社や仲介会社の社員も今後ますますデジタルツールに慣れた若者が増える中で、御社のサービスはさらに選ばれていくのではと思います。

近年はBtoBのやりとりにおいて、ポータルサイトよりもSNSで物件情報を得る割合が高くなっていると感じます。「ieDemiil(いえでみーる)」では管理会社様のSNSも物件情報と一緒に流すことができます。管理会社様がInstagramなどで投稿した物件情報を仲介会社がチェックして、お客様にご案内する事例もあるようです。特に地方では地域のコミュニティ内で情報が共有される場合が多く、SNSをよく活用していると聞きました。

さらに地域密着の観点につながるものとして、インターネット上ではあまり情報が出てこない駐車場の検索にも「ieDemiil(いえでみーる)」が貢献しています。駐車場を探したいとき、ほとんどの方は現地に立っている看板を見て管理会社に電話し、空き状況の問い合わせ後に来店・申込みへと進むのが一般的な流れですよね。

「ieDemiil(いえでみーる)」を使えば、この流れがすべて不要になり自動で申し込みまで完了することができます。導入方法は、既存の看板にQRコードと管理番号を書いたシールを貼るだけです。エンドユーザーがLINEで駐車場の空き状況を直接確認できるので、電話応対の手間も減らせます。

BtoB・BtoC両方の利便性を追究し、不動産業界のDX化を加速させたい

御社の今後目指したい未来についてお聞かせいただけますか。

これまで、多くの不動産管理会社が自社でシステム開発をしてきました。しかし、近年は変化のスピードが非常に速く、失敗に終わる事例が多発しています。例えば、iモードが出てきたときにそこに合うシステム開発をしたが、iモードが終わったときはすべて使えなくなったというのは代表的な例です。

25年ほど前にインターネットが普及し始め、紙の住宅情報誌からポータルサイトで不動産情報が見られるようになったとき、「仲介会社の役割がなくなるかもしれない」と言われていました。しかし、多くの人が当たり前にスマートフォンやパソコンを使うようになった今でも、仲介会社はなくてはならない存在です。また、ポータルサイトの時代から受け継がれてきた「沿線・予算・設備などで行う物件検索」も未だに存在し、仲介会社の手間は増える一方です。

当社は「ieDemiil(いえでみーる)」を通して、仲介会社・管理会社間のBtoBのやりとりで発生する手間を徹底的に省き、業務のスムーズ化を目指しています。また、電子申し込みによってどこにいても入居申込みができることから、BtoCの部分でも煩雑さの軽減に役立ちます。これからも管理会社様・仲介会社様に寄り添いながら、不動産管理の現場で本当に必要なサービスは何なのかを考えて具現化し、不動産業界のデジタル化に貢献したいと思います。

「ieDemiil(いえでみーる)」操作説明動画