宅建ファミリー共済は、宅建協会の会員向け業務支援を長年行ってきた会社です。オーナー様や管理会社が安心して物件運営ができる保険商品の提供はもちろん、全国1万社以上の保険代理店と細やかに連携し、災害発生時の迅速な対応を実現しています。

今回は株式会社宅建ファミリー共済 代表取締役社長の笠間さんに、事業の特色や宅建協会会員に対する想いについて伺いました。

インタビュー企業

サービス名宅建ファミリー共済
サービス提供企業株式会社宅建ファミリー共済

資料請求

「宅建協会会員企業の安定化」を目指し設立した宅建ファミリー共済

―御社が所属する「宅建ファミリーグループ」の事業概要について教えてください。

宅建ファミリーグループは4つの会社で構成されています。持ち株会社の宅建ファミリーホールディングス、少額短期保険会社の宅建ファミリー共済と宅建ファミリーパートナー、そしてグループ内外の事務処理を受託するTFビジネスサービスです。

当社を含む少額短期保険会社を扱う2社では、全国にある保険の代理店を取りまとめています。また、TFビジネスサービスでは様々な事務作業の受託を行い、全宅管理様が提供する住宅設備機器・退去時原状回復費用保証サービス「オーナーズバリューサポート」に関する事務を受託して、運営のお手伝いをしています。

―御社は20年以上も家財保険を提供してきた歴史ある会社ですが、もともとどういった想いで設立したのですか。

少額短期保険制度は2006年の改正保険業法施行に伴ってスタートしましたが、当社はそれ以前から「共済」という形で賃貸入居者の家財保険を扱ってきた実績があります。会社設立当時は損保業界がとても苦しい時代で、代理店が損保会社から受け取る報酬が圧縮される動きが国内で強くなっていました。

そんな中で、損保を扱う多くの不動産業者も売上が減ってしまい「この状況をなんとかしたい、宅建協会会員の収益を安定させたい」と考えて作ったのが当社です。その想いは今も受け継がれ、宅建協会会員の皆様の業務支援を事業の第一目的としています。

代理店業務を長く安心して続けてもらうためのこだわり

―御社と代理店契約をするメリットや、他社との違いについてお聞かせください。

当社の一番の特長は「保険商品販売のノルマがない」ということです。他の保険会社は効率を追う関係上、どうしてもノルマを打ち出さざるを得ない状況があります。しかし当社は宅建協会の会員支援をするという前提があるので、ノルマがないのです。その点では安心して代理店契約をしていただけるのがメリットだと思います。

加えて、保険契約の事務でFAXに対応している点も他社にはないポイントです。今は多くの保険会社でDX化が進み、代理店に対してオンラインのみのやりとりをお願いするところがほとんどです。ただ、不動産業界ではまだまだFAXの手続きが主流であり、規模の小さい代理店ほどその傾向は強いと思います。

―確かに、会社の規模によってはDX化の対応が難しいところも多いですよね。

当社では代理店の皆さまの事情に合わせて手続き方法を選んでいただけるように、FAXとWEBの両方の仕組みを用意しています。会社の規模やそれぞれの仕事の進め方に合わせられる選択肢の多さが当社の魅力です。

また、従来は保険料の精算には、代理店の皆さまが銀行等に出向いて送金していただく必要がありました。それについても代理店のご指定口座から自動で引き落とす方式を追加して、事務の軽減を図っています。振替手数料も不要ですから、経費をおさえながら安心・簡便に代理店業務を続けていただけます。

このように、会社の設立時から今日に至るまで、代理店の皆さま本位の業務運営とフォローを細やかにやってきました。その点も他社とは違う手厚さがあるという自負を持っています。

365日の問い合わせ対応で安心感を提供

―御社の提供するサービスの中でも、特に代理店の皆さまから好評なものは何ですか。

代理店の皆さまからの事務に対するお問い合わせに原則365日対応している点は、非常に好評をいただいています。他社と比較しても365日電話を受けるのは当社しかありませんし、時間は9時から20時と遅くまで対応しています。不動産会社は土日が忙しい業種ですので、曜日に関係なくオペレーターにつながるのは強みだと思います。

開業して間もなかったり、年間の保険の取扱い件数が少ない代理店などの場合、事務のオペレーションで疑問を抱えることがとても多いはずです。そんなときも気軽に電話で質問できますので、会員の皆さまには安心をご提供できているのではと思います。

―土日や祝日も問い合わせに対応してもらえると心強いですね。御社の代理店になる大きなメリットだと思います。

さらに特長的な部分として、当社の商品では「住宅内で入居者が亡くなった場合」に加えて「住宅内で具合が悪くなり病院で亡くなった場合」も遺品整理の保険金が出ます。一人暮らしのお年寄りが自宅や病院などで亡くなるケースは年々増えているため、特殊清掃や遺品整理の補償が幅広い点で代理店の皆さまには喜んでいただいています。

2023年3月末時点での代理店数は1万店を突破し、業界トップクラスである約63万件の契約件数を達成しました。保険会社の健全性を示すソルベンシー・マージン比率では2653%の高い財務健全性を誇ります。通常の保険会社では200%が安全性の目安と言われますので、当社ではその10倍という数値です。当社は全国の宅建協会様と業務提携していますので、そのバックボーンも安心いただける材料だと感じています。

代理店の業務負荷をとことん軽減するサービス展開

―とことん代理店のニーズに寄り添った商品・サービスを提供している御社ですが、20241月からは新しいサービスを開始したそうですね。

当社が家賃保証会社に更新保険料の集金を委託する業務提携を開始しました。通常、家賃保証会社は入居者から毎月の家賃を集金します。その際に更新保険料も一緒に引き落としができれば、入居者も振り込みのために銀行へ行く手間が省けます。

また建物オーナーさまから見ても、更新保険料の未払いは大きな問題です。当社の場合でも支払いを忘れてしまい、更新できない契約が少なからず存在しています。家賃保証会社に保険料の集金を委託すれば支払い漏れを防止でき、万が一引き落としができなくても家賃保証会社が立て替えてくれます。手続きの負荷軽減と確実な集金を両立するサービスとして、今後はさらなる拡大を目指す予定です。

―あらゆるステークホルダーの負担軽減を叶える素晴らしいサービスだと思います。

負担の軽減という意味では、入居申し込みや賃貸契約書類の作成も手間がかかる作業ですよね。当社では1年ほど前に「データ連携サービス」を開始し、仲介会社・保証会社・管理会社・入居希望者の書類作成作業を簡素化することを目指しています。

入居申し込みをデータ化するサービスは世の中にいくつかありますが、当社では全宅連様の「ハトサポ申込」とアットホーム社様の「スマート申込」の2つとデータ連携ができます。不動産会社では、これまで入居申し込みの書類から始まって、家賃保証の書類・保険の書類・賃貸契約の書類…と膨大な書類作成に追われていました。

しかし、データ連携を利用すれば1つのプラットフォームのデータから複数の書類が作れるため、同じ記入作業を何度もせずに済みます。引き続きデータ連携先を増やすことも検討し、より便利なサービスの提供に努めてまいります。

これからも宅建協会の会員と二人三脚で発展し続けたい

―御社が今後目指す姿や将来の展望についてお聞かせください。

当社は設立以来、「宅建協会会員の皆さまの業務支援」という基本的なコンセプトは変えず、大切に守りながら取り組んできた会社です。会員の皆さまがより発展するために、代理店の皆さまが望むものはぜひ形にしていきたいという意気込みで事業を運営しています。

2024年1月に能登半島の地震がありましたが、当社では災害発生時に代理店の皆さまが被害を受けていないか、必ず1軒1軒確認してきました。被災地域の宅建協会を通したお見舞金はもちろん、必要な物資があれば送り、一般の人が現地へ出入りできる状態になれば担当者が直接代理店を訪ねます。避難所での安否確認、建物の破損状況確認、代理店が被災して事務ができない場合は当社が代わって事務手続きを行うなど、徹底的にサポートするのが当社のこだわりです。

―いつでも「協会会員や代理店の皆さまのために」と行動していることが伝わってくるエピソードですね。

近年は少額短期保険の範囲が広がり、ますます複雑化しています。また、国内の自然災害も今まで経験したことのないものが増えています。ですから、保険会社はこれまで以上に経営の健全性を保ち、保険金の支払いを迅速に対応することで、代理店の皆さまとの信頼関係をより深める必要があると思います。

すでに20年以上一緒にやってきた代理店の皆さまの中には、高齢化や代替わりをするところも増えました。しかし、当社は廃業するまでしっかり支えたいという気持ちで関わります。代理店の規模に関係なく、契約いただいている以上は手厚くサポートする姿勢はどこにも負けない自信があります。

今後は代理店の皆さまの発展により貢献するため、保険だけでなく不動産業界に幅広く役立つ商品・サービスをご提供したいと考えています。世の中のニーズが多様化していく中で、代理店の皆さまとともに当社も成長し、お役に立ち続ける存在でありたいと思います。

―「宅建協会の会員を支えたい」という設立当初からの想いが、現場の取り組みにしっかりと反映されている様子が大変印象的な宅建ファミリー共済。それこそが20年以上の信頼と、業界トップレベルの実績を残す秘訣なのだと実感しました。本日は貴重なお話をありがとうございました。