「参謀くん」は、オーナーへの提案力を上げ、管理戸数を拡大したいと考える賃貸管理会社向けの営業支援ツールです。今回は、「参謀くん」を現場で活用してオーナー様に寄り添った物件管理を実践している株式会社ヴィックスリアルエステートサービス 代表取締役の萩原さんと管理事業本部 取締役部長の照井さんに、導入前の課題と導入後に実感した変化について伺いました。
インタビュー企業
サービス名 | 満室経営戦略レポート 自動作成ロボ「参謀くん」 |
サービス提供企業 | Studio LOC合同会社 |
サービス導入先企業 | 株式会社ヴィックスリアルエステートサービス |
管理物件の拡大に力を注ぐヴィックスリアルエステートサービス
― はじめに、御社の事業概要についてお聞かせください。
萩原様:当社グループはヴィックスリアルエステートという社名で創業し、賃貸仲介・売買仲介を主な事業としてきました。その中の1つの事業部で管理業をスタートし、今は宅建業のヴィックスリアルエステートリアルティ、そして、賃貸住宅管理業を行う当社・ヴィックスリアルエステートサービスがグループ会社として活動しています。
当社は、こうした成り立ちを背景に、賃貸仲介の一般媒介等での繋がりがあるオーナー様との接点が大変多いのですが、そのうち一定ボリュームが、入居付けや更新業務等を当社にお任せいただく一方、管理手数料は頂戴していない、いわゆる無償管理となっています。
当社では、こうしたオーナー様に対し、管理業法が施行されたことも追い風に、有償管理への切り替えを促し、これまで以上にオーナー様の「賃貸経営の代行業」としてお役に立っていきたいと考え、4年ほど前から本格的に管理事業のメンバーを揃え、管理の拡大に注力している最中です。
「参謀くん」導入前の課題と決め手
― 「参謀くん」を知ったきっかけはどのようなものでしたか。
萩原様:全国賃貸住宅新聞で「参謀くん」の記事を見たのがきっかけです。これは良さそうなサービスだと思い、すぐに連絡を取ってシステムの説明を受けました。本格的に導入を開始したのは、2023年8月頃からです。
― 「参謀くん」を導入する以前は、どのような課題を抱えていましたか。
萩原様:もともとオーナー様への営業活動は、私の業務の空き時間を使って進めている状態でした。「これからは『攻めの管理』、つまり、管理受託営業を強化して管理業務を成長させていきたい」と考え、取締役の照井に参画してもらい、オーナー様営業の専任担当としたものの、資料作成がかなり大変だったんです。具体的な市場のデータも自社だけでは調べきれず、何か便利な営業ツールがあれば…と思ったときに知ったのが「参謀くん」でした。
照井様:「参謀くん」を導入するまでは、自分の経験や感覚に基づいて「賃料が高い・安い」と判断していて、オーナー様から質問を受けた際も感覚的な部分しか答えられませんでした。もっと説得力のあるデータが欲しいと思いつつ、その調査や資料にまとめる時間もないのが課題でしたね。
― 管理業を拡大していく中で、データをそろえることや資料作成が課題だったのですね。「参謀くん」を導入する決め手は何でしたか。
萩原様:当初は照井が営業活動に専念できるよう、提案書作成等のために営業事務員を配置しようと思っていました。しかし、「参謀くん」の説明を受けたときに、「『参謀くん』を活用すれば、人間1名以上の価値は発揮できる」という話を聞いたんです。実際、システムの操作にあたって、特別な技術は必要なく、誰でも簡単に1分ほどでビッグデータとAIを使ったオーナー様向けの提案書を作成できることがわかり、これは便利だと思って導入しました。
空室対策提案など、根拠が必要な商談の場で「参謀くん」を活用
― 御社ではどのような場面で「参謀くん」を活用していますか。
照井様:オーナー様が一番お困りなのは、空室が続いてしまっていることです。例えば、すでに一般媒介で関係性のあるオーナー様から「部屋がなかなか埋まらなくて、募集条件を変えてみたいんだけど…」とご連絡があったとき、「参謀くん」の資料を使って様々な提案をしています。また、新規で営業をかけたいオーナー様の場合は、事前に物件の空室状況を調べます。もし空室があれば「データ分析の結果、この部屋は今こういった状態ですが、こう改善したらより良くなると思いますので、ご提案のために一度お会いできませんか?」とご連絡します。何も用事がないのにお会いするのは難しいですが、提案書を持っていきます、とお伝えすればアポがとりやすいですし、実際の商談の場面でも、受託営業のフックとして「参謀くん」の資料を説明しています。
― なるほど、会話のきっかけに「参謀くん」で作成した資料を役立てているのですね。
萩原様:一般媒介のオーナー様の入居者更新時にも、基本的には郵送で資料を送りますが、無償から有償管理への切替えを狙っていきたいオーナー様の物件の場合は、出来る限り「参謀くん」の提案書を持参して直接お会いできるようにしています。また、「参謀くん」で作成する提案書とは別に、システムから取り出せる「賃貸経営ニュースレター」を定期的にオーナー様に送り、当社から情報提供できるタイミングを増やす取り組みも行っています。
照井様:今までは資料を準備する時間が取れないのが課題でしたが、「参謀くん」では1分もあれば資料が作れるので、オーナー様に対して説得力ある話ができる材料を得たのはとても大きいです。とはいえ、いきなり大規模な管理を任せていただけるのは稀です。無償から有償管理への切替えや、新規のオーナー様から管理受託にあたっては、不動産という高額資産の管理をお任せいただく以上、オーナー様が当社を信用してくれて初めて実現できるものと考えています。そのためには、何度も足を運び、オーナー様の声を聞き、情報提供を行っていく必要があり、そうした少しずつの信用の積み重ねが大切です。例えば、まずは物件の定期清掃を任せていただくなど、オーナー様のニーズがあるところから、良い関係を作ることを意識しています。
新たに一棟物件28戸の管理受託を獲得!「参謀くん」の活用で得た成果とは
― 「参謀くん」を活用し始めてから、オーナー様の反応はいかがですか。
照井様:「参謀くん」で作成した資料があることで、話を聞いていただける場面が非常に増えた実感があります。その場では資料を読んでいただけない場合があったとしても、オーナー様にお渡しするだけで印象は違いますし、何かあったときに「そういえば前に営業が資料を置いていったな」と見てくださるかもしれません。手元に残る資料、しかも冊子できちんとしたデータまでそろっているものが時間をかけずに作れるのは、営業担当としてとても助かっています。
― 管理業でよくあるのが、「オーナー様の代替わりとともに他社へ流れてしまう」という悩みです。御社は代替わりの場合、どのようなアプローチをしていますか。
照井様:当社と関係性のあるオーナー様も、やはりご高齢の方が多いです。しかし、あらかじめ資料をお渡ししておくと、お子様などに物件が引き継がれた場合でも当社に声をかけてくださることが多くあります。代替わりをして次世代のオーナー様に初めてお会いする際も、「参謀くん」の資料があれば話の説得力が増し、信頼していただける可能性が高まると思います。資料を残しておくことでオーナー様の記憶に残り、相談したいことができた場合に当社を思い出してもらいやすいのではないかと考えています。
― 「参謀くん」が新たに管理物件を獲得するきっかけになった事例があればお聞かせください。
照井様:「参謀くん」の資料などをフックにして徐々に信頼関係を作っていき、総戸数28戸のファミリータイプの一棟物件、あわせて、駐車場50区画も管理をお任せいただいた例があります。先代のオーナー様の時代から一般媒介で関係性を築いてきた自主管理物件だったのですが、決して当社の客付シェアが高い物件ではありませんでした。ですが、息子様に代替わりをした後、「働き方を見直したいので、管理委託についてちょっと相談したいんだけど…」とお声がけをいただいた流れです。もちろん他の管理会社さんからも声はかかっていたそうですが、その中でも当社を選んでくださったのは、「参謀くん」の資料が手元にあり良い印象が残っていたからではないかと思います。まさに「参謀くん」がとっかかりを作ってくれて、他社との差別化にもつながった好事例です。
より付加価値の高い提案を通して管理戸数の拡大を目指す
― 今後、「参謀くん」をどのように活用していきたいと思いますか。
照井様:「参謀くん」は提案書が作成できるだけではなく、さきほどのニュースレターなど、管理受託営業を行うための各種営業テンプレート集が非常に豊富で、まだまだ活用しきれていない部分もたくさんあります。また、「参謀くん」では自社HP等からオーナー様が自分で賃料査定ができ、当社が反響をとれるという仕組みもあると聞いていますので、今後はオーナー様からの反響を獲得できる体制も整えるつもりです。
萩原様:オーナー様は代替わりなどでスマートフォンやパソコンを使いこなす世代が増えてきましたので、WEB上でもしっかり自社をアピールできる状態にしておかなければなりません。取引先企業も含め、会社の信用力を示すという意味でも自社HPの充実化は大切だと考えていますので、「参謀くん」の反響獲得機能も積極的に使っていきたいと思います。
― 全宅管理協会の会員の皆さんに特におすすめしたい「参謀くん」の便利機能を教えてください。
萩原様:オーナー様から家賃の相談があったときに、データをもとに提案できるのは「参謀くん」の強みです。周辺物件の家賃と比較してどうなのかという根拠があれば、増減額の幅を感覚に頼ることなく提案できます。加えて、物件のおすすめ設備や条件緩和案など、空室対策案も出すことができるので、提案の幅を広げるのにも役立ちます。特に「近隣の物件の何%がこの設備を入れている」というデータはオーナー様に喜ばれ、設備導入やリフォームの受注にも繋がっています。
今の時代は物件が供給過多で、同じような間取りの部屋がいくつもある中、差別化を図ることが求められます。管理会社もオーナー様の賃貸経営を支えられる情報を持つ必要があり、物件に付加価値をつける提案ができるかどうかが賃貸経営の成否の分かれ道となります。当社のような少数精鋭で戦う中小企業でこそ「参謀くん」の使い勝手の良さが際立つと思いますので、全宅管理協会の会員の皆さんにもぜひその便利さを実感して欲しいと思います。